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河西邦人

Author:河西邦人
札幌学院大学教授。企業経営から地域経営までをカバーする。北海道公益認定等審議会会長、北海道地域雇用戦略会議メンバー、北海道コミュニティビジネス・ソーシャルビジネス協議会会長、江別市、北広島市、夕張市、石狩市、積丹町、ニセコ町等のまちづくりアドバイザー、各種起業講座や経営講座の講師など公的活動を行っている。北海道NPOバンク理事を通じた社会活動にも従事。著書として、『コミュニティ・ビジネスの豊かな展開』(監修)、『NPOが北海道を変えた。』(分担執筆)、『ソーシャルキャピタルの醸成と地域力の向上』(共著)、『ドラマで学ぶ経営学入門』(単著)がある。

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「どんど晴れ」第17週のあらすじと経営的視点

1 あらすじ「柾樹の孤立」
 加賀美屋の経営情報を分析していた副総支配人の加賀美柾樹は、女将の加賀美環の許可を得て、経営改革に乗り出した。まず手を付けたのは板場の改革である。加賀美屋の年間収入は4億7,400万円。年間の食材費は8,734万円。柾樹の想定した適正な売上高食材原価率の17%をオーバーしており、680万円弱を削減する余地があると考えた。頑固な職人気質の板長がいる板場の改革は難しい、と女将の環は考え、あえて柾樹の思い通りにさせることにした。
 柾樹は板長の篠田に対してストレートに余計な魚を仕入れないで欲しいと申し入れる。魚の卸商との良好な関係によって良い材料を仕入れるために、低価値の魚を一緒に仕入れ、それが材料費を増やす一因になっていた。柾樹の申し入れに対して、板長の篠田は反発し、仕入方法は変えないと言う。

 地域のしがらみや古い慣習を持たない柾樹は、板長の篠田の了承を得ず、ネット販売している若い漁師グループから、必要な魚を安く仕入れ、従来からの魚の卸商との取引を切った。それを知った板長の篠田は怒り、柾樹と対決する。女将の環を含め、旅館の人間は柾樹に謝罪するよう迫るが、柾樹は加賀美屋のためにと仕入れ先の変更を板長に認めさせようとした。そして、柾樹は板長の篠田が魚の卸商からキックバックを不正にもらっていることを暴き、形勢を逆転しようとした。その結果、皆の前で面目を潰された板長の篠田は弟子を引き連れ、加賀美屋を辞めた。
 板長が辞めた加賀美屋は食事を出せなくなり、危機に陥る。旅館組合を通じて料理人の派遣を願うが、魚の卸商の妨害で断られる。旅館の危機に対して大女将の鶴の一声で、かつて腕の良い料理人だった現社長の加賀美久則が板場に立つことになった。そして、人手の少なさを補うため、女将の環は女人禁制のしきたりを破って板場へ入り、浅倉夏美、加賀美恵美子、総支配人の加賀美伸一と一緒に料理を手伝った。

 久則が久々に料理したが宿泊客からの評判も良く、板長が辞めた危機を乗り切った。加賀美家一家と夏美が中心になって危機を乗り切ったことにより、女将の環の家族と夏美の関係はより近いものになった。その時、失踪した柾樹の父の話を聞いた。
 一方、柾樹は板場の改革を進められたものの、その強引なやり方は周囲の理解を得られず、孤立感を深める。しかし、加賀美浩司は柾樹の板場の改革へ理解を示すようになる。

2 経営改革の担い手
 経営改革を行なう場合、まず、改革の担い手を考えます。改革の担い手は広範囲に、強力な影響力を与えるため、できるだけトップに近い人物が直接、もしくは深く関与して行なうことが望ましいです。加賀美屋であれば、大女将や女将が経営改革の旗手になり、周囲の親族や時江のような近い関係の人間とと協力しながら行なうということです。
 改革の担い手に関して次に考えるべきなのは、これまで会社内で活躍していた人か、外部の人か、という選択です。前者の場合、過去の経営の失敗という負債を負っての改革なので、大変です。ただ、社内を熟知しているので、反発にあいにくい実行も可能になるかもしれません。後者はしがらみがなく、過去の負債を負わないため経営改革を提言できますが、実施段階で社員の反発を食う懸念があります。

 両者の中間に、外部の人が社内に入り、会社の人間として改革を行なう方法です。外部の人間としての新しい視点やしがらみのない経営改革を提案し、社内の人間を味方に付けて改革の後押しをしてもらうこともできます。柾樹はこの立場で経営改革を行なっています。
 しかしながら、柾樹自身は加賀美屋の有力な社長候補で、女将に形式的な権限を持たせてもらっているとはいえ、外部から加賀美屋へ入った新参者です。柾樹への女将の環、社長の久則、大女将のカツノの強力な後ろ盾やコミットメントを得られていなかったことが、板長から猛反発を食う一因になりました。
 経営改革を成功させるには、誰が行なうのかということは当然、大切ですが、それと共にどうやって改革していくか、改革の戦略も重要です。次回はそれを説明したいと思います。
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テーマ : 企業経営 - ジャンル : ビジネス

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