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河西邦人

Author:河西邦人
札幌学院大学教授。企業経営から地域経営までをカバーする。北海道公益認定等審議会会長、北海道地域雇用戦略会議メンバー、北海道コミュニティビジネス・ソーシャルビジネス協議会会長、江別市、北広島市、夕張市、石狩市、積丹町、ニセコ町等のまちづくりアドバイザー、各種起業講座や経営講座の講師など公的活動を行っている。北海道NPOバンク理事を通じた社会活動にも従事。著書として、『コミュニティ・ビジネスの豊かな展開』(監修)、『NPOが北海道を変えた。』(分担執筆)、『ソーシャルキャピタルの醸成と地域力の向上』(共著)、『ドラマで学ぶ経営学入門』(単著)がある。

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「どんど晴れ」第16週のあらすじと経営的視点

1 あらすじ「競い合いの決着」
 元大女将の加賀美カツノが押す若女将候補の浅倉夏美と、女将の加賀美環が贔屓にする彩華の修行対決は、女将の環の発案でガイドブックの調査員の評価で決定するということになった。結果は夏美が担当した田辺という客が実は調査員だった。
 田辺の無理な要求に対して夏美は加賀美屋の伝統、格式、しきたりの中で最高のもてなしを味わって欲しいと、田辺を説得した。その接客が田辺の好感を呼び、ガイドブックでは夏美のもてなしが絶賛された。
 女将の環はガイドブックの評価はさておき、彩華が加賀美屋のしきたりを破って、彩華が担当した川端という客に特別な料理を出して優遇したことを重んじた。大女将のカツノにも促され、環は夏美と彩華の女将修行の決着に関して、夏美の勝ちと判断を下した。彩華の仲居としての物腰や気配りを評価しつつも、加賀美屋のもてなしの理念を理解していない。まだ仲居として十分なスキルを持っていないものの、加賀美屋のもてなしの理念を理解し、実践できている夏美を、個人的感情はさておき環は評価したのだ。

 それに加えて彩華の借金の取り立て人がやってきてしまい、彩華の借金の事が加賀美屋の人間に知られてしまう。若女将候補として見られてきた彩華の評判は一気に悪化する。支配人の加賀美伸一は彩華を「厄介者」とまで言い切り、彩華のシンパだった従業員もよそよそしい態度を取る。そんな状況でも彩華に変わらず接する夏美に、彩華は全てを打ち明ける。帳場の金の盗難、夏美の評判を落とす工作、皿を割ったこと、全てに恵まれている夏美に対する嫉妬。
 彩華は自分になくて夏美にあるもの。女将として不可欠な人を信じる心が自分には不足し、女将修行の負けを認め、加賀美屋を辞めると言う。女将の環は彩華に加賀美屋へ残るよう説得するが、彩華は盗んだ帳場の金も付き合っていた加賀美浩司から借りた金の事をうやむやにしたまま、加賀美屋を去っていった。

2 女将修行の決着に見る後継者選び
 旅館経営において女将の役割は重く、加賀美屋でも代表取締役社長は女将の環の夫である加賀美久則が務めているものの、実権は元大女将のカツノや女将の環が握っているようにドラマでは描かれています。現実の旅館においても、女将は旅館内でのもてなしに関わる責任者であり、場合によっては営業活動もするので、女将が社長以上にリーダーシップを発揮する旅館は多くあります。
 その女将の後継者になる若女将を決めると言うことは、次世代の旅館経営の根幹へ影響する、きわめて重要な経営上の意思決定になります。旅館の経営者一族の中に長男の嫁、もしくは長女がいて、初めから後継者が決まっているケースは除き、複数の女将候補がいる場合、若女将の決定は慎重になされなくてはなりません。

 ドラマですから女将修行の決着というわかりやすく、おもしろく描かれています。しかし、現実の旅館経営では同族の中に複数の後継者が存在する場合、時間的な余裕があれば後継者選びには時間をかけます。ガイドブックの評価で決める、という限定された、特殊な状況では決定しません。日々の日常業務の中で女将候補者を仲居としての接客だけでなく、経営理念の理解、人間性、他の従業員に対するリーダーシップ、業務におけるお金の流れ(キャッシュフロー)の把握、営業能力など、リーダーとしての能力と資質を多角的に見て、女将が決めます。
 女将候補の決定は本人のみならず、旅館の権力構造や財産分与へも大きく影響を与えます。したがって、過度な競い合いの中で女将候補を決定しようとすると、家族、親族、従業員の関係に不和を生み、旅館経営に悪影響を与えます。場合によっては、お家騒動になり、誰かが旅館を辞めなくてはなりかねません。ですから女将は女将候補の日常業務での仕事ぶりを鋭く見ながら、淡々と評価することが必要です。
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テーマ : 企業経営 - ジャンル : ビジネス

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