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河西邦人

Author:河西邦人
札幌学院大学教授。企業経営から地域経営までをカバーする。北海道公益認定等審議会会長、北海道地域雇用戦略会議メンバー、北海道コミュニティビジネス・ソーシャルビジネス協議会会長、江別市、北広島市、夕張市、石狩市、積丹町、ニセコ町等のまちづくりアドバイザー、各種起業講座や経営講座の講師など公的活動を行っている。北海道NPOバンク理事を通じた社会活動にも従事。著書として、『コミュニティ・ビジネスの豊かな展開』(監修)、『NPOが北海道を変えた。』(分担執筆)、『ソーシャルキャピタルの醸成と地域力の向上』(共著)、『ドラマで学ぶ経営学入門』(単著)がある。

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「どんど晴れ」第15週のあらすじと経営的視点

1 あらすじ「伝統は変えられません」
 恋人の加賀美柾樹が仕事を辞めて加賀美屋へ戻り、元気に修行する浅倉夏美。成長著しい夏美だが老舗料亭育ちの綾華に立ち振る舞いは劣る。しかし、加賀美環はどんな人の心を捕らえてしまう夏美の不思議な力に恐れていた。
 病床の母のために加賀美屋の女将の座を狙う綾華は、柾樹になぜ加賀美屋で修行をしているのか、その本心を告白する。人の気持ちを捕らえてしまう「天性の才」を持つ夏美に対して、女を落とすことにかけての「天性の才」を持つ柾樹は「綾華が悪いんじゃない。綾華が一番辛いときに側にいてやれなくてごめんな」などと調子の良いことを言い、綾華の気持ちを捕らえた。思わず柾樹の胸に飛び込んだ綾華の姿を見た浩司は愕然とする。
 
 それはさておき、地元の観光協会から、ガイドブックの調査員が身元を隠して評価しに来るので加賀美屋で受け入れてくれと、依頼があった。女将の環は調査員の評価で若女将の決着を付けようと考える。支配人の加賀美伸一と仲居頭の時江は環から駄目出しされたものの、綾華を有利にするために、ガイドブックの調査の件を綾華に教える。
 そんなある日、「川端」という壮年男性が旅館へやって来る。予約を入れているものの、男一人での宿泊とあって、調査員風。伸一と時江は部屋付きの仲居を差し置いて綾華を部屋付きでサービスをさせる。その日に裏口を除いていた怪しい「田辺」と名乗る中年男が予約なしで泊まりたいと言ってくる。その田辺は夏美が担当する部屋へ宿泊することになった。

 田辺は「岩手山が見える部屋へ変えてくれ」とか「ジャジャ麺を作って欲しい」と我が儘を言う。「田辺様、加賀美屋へお泊まりに来たということは、加賀美屋の伝統と格式でお過ごしになるということ。お料理という加賀美屋のおもてなしを受け取って欲しいのです。」と田辺を諭す。そして、さらにジャジャ麺を食べたかったという田辺を仕事中にも関わらず、イーハトーブへ連れ出す。
 田辺がチェックアウトする朝、女将の環が旅館組合関係の旅行中ゆえに、大女将と夏美は見送りをした。その際に、田辺が無理な要望に対する夏美の断り方では気を悪くする客もいるが、老舗の加賀美屋なら客も考えなくてはいけないかもしれない」と言われ、夏美は落ち込む。

2 サービスの基準
 覆面調査員がやって来て、受け入れる旅館側が右往左往する展開では、「私を旅館に連れてって」の第5話が非常に良い出来です。「どんど晴れ」はどんな展開になるのでしょうか。私が定期購読している「日経トレンディ」ではビジネスホテルやシティホテルを中心に、定期的に覆面調査を行なっています。日経トレンディの覆面調査はホテル側に何も知らせず、一般客として宿泊し、ハードとソフトのサービスを評価しています。ただし、「どんど晴れ」のように無理難題をどう対応するか、という調査ではなく、設備の快適さや使いやすさ、客室の清掃具合、名物店の案内、会社からの宿泊客への伝言、忘れ物への対応、普通のビジネスマンが経験しそうな内容に関するチェックです。

 旅館は建物、設備、備品といったハードのサービスと、接客や料理といったソフトのサービスを提供します。ハードのサービスの品質はあるコントロールが可能です。広さや景色など差異が出てしまうハードのサービスは、料金の差異で対応します。一方、人が作り出すサービスは従業員によってばらつきが出てしまう懸念があります。一定水準のサービスを提供するため、旅館はサービスの理念によって従業員の行動基準を示し、一定水準のサービスをマニュアルなどで規定し、研修によってサービスの一定水準のサービスを実現します。
 夏美のサービスを見ていると、よく言えば機転が利く、悪く言えば場当たり的に、夏美が考えているサービスを提供しようとしています。例えば、怪我をしている客を八幡平へ連れ出す、母親に相手をしてもらえない子供を祭りへ連れ出す、客にイーハトーブでジャジャ麺を食べさせる。一見すると顧客満足を追求したおもてなしのように見えますが、加賀美屋としてふさわしいサービスを提供していないリスクがあります。もっとも悪いケースでは祭りに連れ出した子供が、アレルギーの発作を起こし、病院で入院となりました。
 またこれは夏美だけではなく、予約なしの顧客への対応に見られるように、加賀美屋にはサービスのマニュアルがなく、各従業員の個人裁量に任されすぎているように感じます。ドラマ、しかもコメディ的なドラマなので笑って見ていられますが、現実にこのような旅館だったら問題です。サービスの品質にばらつきがあると、他の客と扱いが異なる、以前の宿泊時にはサービスしてくれたのに、といった不満を起こす懸念があります。

 ではどうしたら良いか。これまでの加賀美屋の伝統から培ったおもてなしの精神を理念にし、具体的行動をマニュアル化します。マニュアル化されたサービスをOff JT(職場外職務訓練)とOJT(職場外職務訓練)によって研修し、それが実現できたら部屋付けの仲居として、自己裁量も与えます。
 ただし、自己裁量も制限付きの自由で、理念に基づく行動基準を守る必要があります。顧客の要望はとどまることがないので、これ以上は対応できないといった範囲は決めておくべきです。24室もあって、仲居は時江も含めて8人しかいない加賀美屋で、夏美が一人の客に関わりすぎれば、全体の業務に支障が出てきてしまいます。
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