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河西邦人

Author:河西邦人
札幌学院大学教授。企業経営から地域経営までをカバーする。北海道公益認定等審議会会長、北海道地域雇用戦略会議メンバー、北海道コミュニティビジネス・ソーシャルビジネス協議会会長、江別市、北広島市、夕張市、石狩市、積丹町、ニセコ町等のまちづくりアドバイザー、各種起業講座や経営講座の講師など公的活動を行っている。北海道NPOバンク理事を通じた社会活動にも従事。著書として、『コミュニティ・ビジネスの豊かな展開』(監修)、『NPOが北海道を変えた。』(分担執筆)、『ソーシャルキャピタルの醸成と地域力の向上』(共著)、『ドラマで学ぶ経営学入門』(単著)がある。

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「どんど晴れ」第14週のあらすじと経営的視点

1 あらすじ
 加賀美柾樹は横浜のホテルを退職し、加賀美屋へ戻ってきた。元大女将の加賀美カツノと恋人の浅倉夏美は喜ぶが、女将の加賀美環は柾樹が夏美と結婚すれば、夏美を追い出す口実がなくなるため、頭を痛める。カツノは姑として環へ、夏美の立場を悪くしないように女将として責任を果たせということと、柾樹を経営者として育ててくれ、と強く言う。環はカツノから嫌みを言われ、そのフラストレーションで、仲居たちへ当たってしまう。
 柾樹は甥の加賀美伸一の下で副支配人としての勤務することになったが、いきなり加賀美屋の帳簿を見せろ言い、伸一は警戒感をいだく。仲居たちは戻ってきた後継者候補の柾樹へ興味津々だ。そんな柾樹に対して、加賀美浩司の恋人である綾華もただならぬ想いをいだいていた。柾樹、綾華、浩司は幼なじみで、綾華は昔、柾樹を好きだったのである。

2 経営的視点「二元統治を避ける」
 組織が成果をあげられない理由の一つに、統治の機能不全があります。組織が目標を達成し続け、維持していくための統制を「経営統治」と言います。経営統治が機能不全を起こす原因の一つが「二元統治」です。組織へ決定的な影響を与えられる権力者が二人いて、それぞれが経営統治することを二元統治と言います。
 二元統治の構造が組織の中にできあがってしまい、それぞれの権力者がそれぞれの思惑で自分の意思を通そうとすれば、部下へ異なる命令をすることが出てきます。そうなると部下はどちらの命令に従えば良いか分からず、混乱し、結果として組織目標の達成を阻害します。

 さて、加賀美屋を見てみると、元大女将のカツノと女将の環がいます。カツノが現役の大女将だった時は、カツノ-環の間は公式な上下関係があり、公式的にカツノが一元統治していました。もちろん、カツノが現役時代にも、女将の環のシンパがいて、二元統治の構造は非公式に存在していたかもしれません。しかし、公式的な構造である一元統治が非公式的構造の二元統治より優越するという組織の原則を環が遵守していたので、問題はありませんでした。
 一方、カツノは環から「大女将は引退したのだから」と暗に加賀美屋の経営の根幹に関与せず、二元統治にならないよう慎重な言動を取って欲しいと言われていました。それにもかかわらず、孫の柾樹とその恋人の夏美がかわいいのか、環夫婦とその孫が気に入らないのか、姑の立場を利用し、加賀美屋の経営にとって非常に重要な加賀美久則の後を継ぐ経営者、環の後を継ぐ女将の決定に関して自分の意思を通そうとごり押ししています。一方、環は夏美を評価しながらも、カツノに反発し、窃盗行為をして女将としてはまったくふさわしくない綾華に肩入れせざるを得ません。
 確かに柾樹は伸一より経営者としての資質が、「天性の才」を持つ夏美は綾華より女将としての資質があるのかもしれません。たとえカツノの評価が正しくても、今のカツノのやり方では二元統治を加賀美屋に定着させ、組織目標の達成を阻害する危険性があります。

 ではどのように現状の問題を解決したら良いのか。まずは話し合いです。加賀美屋の株式を誰がどの程度保有しているかは分かりませんが、同族経営において資本の論理を押し通すと、骨肉の争いに発展し、会社だけでなく家族のバラバラになってしまいます。
 カツノと環はそれぞれ女としての感情が優先され、二人だけの話し合いでは泥沼化します。経営者の久則は二人の葛藤をうまく裁く力量は
なさそうです。外部の第三者を入れて、納得がいくまで話し合いをし、解決を考えると事から始めることが、今の加賀美屋には必要でしょう。それができず、二元統治から深刻な権力抗争を生み、経営陣が対立して没落する同族経営の企業を他山の石としない事です。
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テーマ : 企業経営 - ジャンル : ビジネス

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