fc2ブログ

プロフィール

河西邦人

Author:河西邦人
札幌学院大学教授。企業経営から地域経営までをカバーする。北海道公益認定等審議会会長、北海道地域雇用戦略会議メンバー、北海道コミュニティビジネス・ソーシャルビジネス協議会会長、江別市、北広島市、夕張市、石狩市、積丹町、ニセコ町等のまちづくりアドバイザー、各種起業講座や経営講座の講師など公的活動を行っている。北海道NPOバンク理事を通じた社会活動にも従事。著書として、『コミュニティ・ビジネスの豊かな展開』(監修)、『NPOが北海道を変えた。』(分担執筆)、『ソーシャルキャピタルの醸成と地域力の向上』(共著)、『ドラマで学ぶ経営学入門』(単著)がある。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

黒川温泉、成功の秘訣①

1 別府温泉、湯布院、そして黒川温泉
 現在、熊本県に来ています。お目当ては黒川温泉。私的旅行ではなく、黒川温泉の成功の秘訣を探る仕事です。だからといって、温泉に入らないわけではなく、温泉も楽しんでいます。そんなわけで、ネット環境になく、このブログもしばし、更新をお休み。
 九州で有名な温泉で言えば、別府温泉です。別府温泉は大規模なホテルや旅館が建ち並び、日本が豊かになっていく時代に、団体客を中心に客を集め、人気を得ました。しかし、その後、大規模なホテルや旅館が建ち並ぶ、歓楽的な温泉地の人気は下降気味です。そのような時代に注目を集めたのが同じ大分県にある湯布院です。
 湯布院は朝の連続ドラマ小説「風のハルカ」のロケ地になった地域で、別府の奥にある町です。温泉街という温泉旅館の集積は見あたりません。湯布院はどこでも温泉がでるので、温泉旅館は点在し、湯布院の住民の生活空間と共生をしています。イベントも積極的に行い、美術館なども多く、日本でも有数の温泉地として有名になりました。
 湯布院から車で1時間もかからない場所にあるのが、熊本県南小国町にある黒川温泉です。湯布院のまちづくりはNHKのプロジェクトXで取り上げられましたが、黒川温泉の成功物語も湯布院に勝るとも劣らない、ドラマチックなものです。

2 黒川温泉の成功の秘訣
 黒川温泉は泉質は良いものの、以前は入り込みも少ない、寂れた温泉地でした。しかし、今では年間宿泊客34万人と、人気の温泉地になりました。今回はその成功の秘訣の一端をお伝えしましょう。
 黒川温泉には「入湯手形」というユニークなシステムがあります。そこの温泉地でも日帰り入浴を取っている旅館がありますが、黒川温泉では1200円出して入湯手形を購入し、黒川温泉の24軒の旅館の中から3ヶ所の温泉を選び、入ることができます。黒川温泉の各旅館が工夫を凝らした露天風呂を持ち、その露天風呂巡りを楽しめるのです。
 黒川温泉内はけばけばしい看板や建物はなく、各旅館はひっそりと自然の中に溶け込んで建っています。自然と旅館の共生が非常に素晴らしく、落ち着き、癒されます。
 黒川温泉のコンセプトは自然で素朴な田舎の温泉地です。そのコンセプトを24軒の旅館は守って、経営をしています。黒川温泉があたかも一つの旅館のように捉えられ、各旅館は離れ、道路は廊下と喩えられています。自然との共生というコンセプトに沿った作り込みは細部にわたっており、ガードレールも黒く塗るほど徹底しています。温泉地版東京ディズニーランドと言えます。
 こうした黒川温泉のコンセプトは、個人客が中心になっている現在の温泉旅館に対するニーズに沿ったものであり、癒しの時代にぴったりで、黒川温泉への人気は平成に入り、うなぎのぼりです。人気が高まった後も、セグメンテーション戦略をしっかり実行し、熱烈な黒川温泉ファンを生み出しているようです。
スポンサーサイト



テーマ : 企業経営 - ジャンル : ビジネス

<< 「どんど晴れ」第13週のあらすじと経営的視点 | ホーム | 「私を旅館に連れてって」第2話のあらすじと経営的視点 >>


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


風のハルカ『風のハルカ』(かぜのはるか)は、日本放送協会|NHKNHK朝の連続テレビ小説|連続テレビ小説2005年(平成17年)度下半期の作品である。シリーズ通算第73作目。NHK大阪放送局製作で、2005年10月3日より2006年4月1日まで、全26週・151回(12月29日~1月3日は休み)


 BLOG TOP