1 食器類の整理整頓
浅倉夏美は時江に命ぜられ、蔵の中の食器類を整理することになった。夏美がやるべき仕事が多く、休み時間中にやれ、と労働基準法に抵触するような時江の指示にも、前向きに取り組む夏美であった。
木箱に入ったお皿や小鉢をデジカメ(カシオ?)で撮影しながら、付箋紙で箱の中身を記載し、木箱に貼り付ける。しかし、知識不足は否めず、板長に頼まれた織部の器を持って行くが、間違った器だったので、「よくそんなんで女将修行をしてるよな」と呆れられる。その言葉に奮起し、仕事後も蔵の中で器の把握に努めた。
2 仕事の創意工夫
脚本のせいか、夏美の行動に対して苦言を呈することが多くなってしまいましたが、今回は誉めましょう。会社や団体に入れば、いろいろな仕事を上司に与えられます。その時に、上司に言われたままに仕事をするか、それとも自分なりに考え、仕事をするかで、その人の能力開発に対して、大きな差異を産みます。自分なりに与えられた仕事の本質を考え、より良い方法で仕事をする、仕事の創意工夫は仕事の能率の改善や付加価値の向上につながり、あなたへの評価を高めます。
ただし、上司の命令から逸脱しない、あなたに裁量が認められる範囲での創意工夫です。宿泊客の子供を時江の命令に背いてまで、連れ出すことは仕事の行き過ぎた創意工夫で、評価されません。
蔵の中の状況は、蔵の中の所蔵物を良く知った人でないと分からない状況でした。そうすると、限られた人、女将や仲居頭しか蔵の中から効率よく、器を取ってくることができません。他の従業員が器を取ろうとしても、探し回る羽目になります。旅館全体にとって、労働生産性の低下につながります。時江に命じられた蔵の中の器を整理整頓することは、そうした課題を解決することも同時にやろうと発想できる夏美は、仕事の本質を理解していると言えます。
デジカメで器の写真を撮り、木箱の中身を記載した付箋紙をつける。そうした整理整頓の仕方は、老舗旅館では行われてきた夏美流の創意工夫で評価できます。
ただし、もうちょっと工夫すればいいのにな、と思ったことを書いておきます。せっかくデジカメで写真を撮ったのだから、写真を木箱に貼り付け、何枚の器が木箱に入っているかなどの情報を書き込んでおけば良かったと思います。また、付箋紙はのりが弱いので、いつの間にかはがれる懸念があります。写真はテープで貼っておくのが良いでしょう。そして、器の種類、用途、使う季節などで器を分類し、その分類によって蔵の中をいくつかの区画に区切り、そこへ器の木箱を置くようにする。その区分の情報を蔵の中に示しておけば、知識が少ない従業員でも目的の器を素早く、取ってくることが可能になります。
日々の仕事の中で創意工夫をし、それが周囲から評価されれば、働きがいも感じられるでしょう。仕事の創意工夫は面倒なことではなく、会社にとっても仕事の能率や付加価値が向上すると共に、あなたの働く意欲につながり、メリットがあることなのです。
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私も今回の夏美さんは頑張っていると思いました。
ただ、今回写真やメモを貼っていたのは桐箱でしたが、「桐箱にテープ等を貼ると変色して商品価値が下がる」のではないかと、密かに心配しております。
私も夏美さんのアイデア自体は良いと思うんですけどね…。
失礼致しました。
資産価値の視点
こんばんは、管理者の河西です。
コメントをありがとうございます。
おっしゃるとおりですね。
器とそれを入れる桐の箱の資産価値という視点は、欠けていました。
箱に入った料理に出されている器で、夏美さんの蔵の中での作業を見ていると、外箱にはあまり気を遣ってなかったようなので、テープを貼っても良いかと思いました。
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