1 あらすじ
水沢圭吾は東京オーシャンホテルの経営再建のコンサルタントとして着任し、北野みつ子社長らにリストラ案を突きつける。小田桐杏子は水沢に裏切られた気持ちでいっぱいになる。
水沢は次に岩間副総支配人へ買収後の総支配人の地位を餌にして、水沢の味方に取り込む。水沢の後ろ盾を得た岩間は総支配人のごとく、従業員の勤務態度をチェックし、従業員からひんしゅくを買う。
リストラの不安が渦巻く東京オーシャンホテルへ壮年の村上夫妻が宿泊しに来る。村上夫妻は東京オーシャンホテルのオープンの日に宿泊した部屋を希望した。そして、村上夫妻は30年間に食べたディナーを注文し、杏子と料理長はその注文に応えようとする。それを知った岩間は2人の客のために料理を作るなんて、と嫌みを言うが、料理長は自分のポケットマネーで食材を買う、と一喝する。
村上夫妻は30年前に食べたメニューを味わいながら、結婚式を挙げる前に会社が不渡りを出して、結婚式を挙げてないと杏子へ話す。その話を聞いた杏子は緒方総支配人や仲間と共に村上夫妻へ結婚式をプレゼントする。突然の結婚式に驚く村上夫妻だが、非常に喜ぶ。そのシーンを見た水沢は杏子がなぜ東京オーシャンホテルを大事に思うか、少し理解した。
翌朝、村上夫妻が緒方を呼びつけ、ある提案をする。村上が社長を務める不動産会社が東京オーシャンホテルのテニスコートと駐車場を買い取り、再度、東京オーシャンホテルへ貸すというスキームを提示した。このスキームで東京オーシャンホテルは会社の資産価値を減らして買収の魅力をそぐ一方、売却して得た資金を負債返済に充てる。東京オーシャンホテルの一筋の光明が見えた。
一方、水沢は自分を捨てた両親を捜したに関する報告書を読み、驚く。なんと杏子と水沢は異父兄妹だったのである。
2 経営的視点「ホテルのリストラ」
ホテル経営において建物や施設の減価償却、労働集約的サービスのための人件費など、宿泊客がいようが、いまいがかかってしまう固定費の割合が高いことが多いです。東京オーシャンホテルの場合も例外でなく、まずは人件費の削減を考えます。
しかしながら、東京オーシャンホテルのようなシティホテルにおいて従業員はサービスの価値を産み出す重要な経営資源ゆえに、人員削減は慎重に行う必要があるでしょう。岩間のようにこれ見よがしにリストラをちらつかせるのは、従業員のやる気を著しく低下させるのでやってはいけません。あらかじめリストラ候補を決め、一気に行う必要があります。人員を減らすとサービスの低下につながるので、人件費が安い派遣社員に切り替えることなどで対応します。例えば、東京オーシャンホテルが人材派遣の子会社を設立し、正社員を子会社へ給与を引き下げて転籍させます。その人材派遣子会社が東京オーシャンホテルの元社員を古巣へ派遣します。
建物や施設も同様です。これらの固定資産を売却し、売却収入で借金を返済し、貸借対照表を改善します。ホテルは建物や施設を売却した先から建物や施設を賃貸してもらいます。小田桐の機転が利いたサービスの結果、図らずもこのスキームを使うことになりました。
スポンサーサイト
テーマ : 企業経営 - ジャンル : ビジネス
コメントの投稿