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河西邦人

Author:河西邦人
札幌学院大学教授。企業経営から地域経営までをカバーする。北海道公益認定等審議会会長、北海道地域雇用戦略会議メンバー、北海道コミュニティビジネス・ソーシャルビジネス協議会会長、江別市、北広島市、夕張市、石狩市、積丹町、ニセコ町等のまちづくりアドバイザー、各種起業講座や経営講座の講師など公的活動を行っている。北海道NPOバンク理事を通じた社会活動にも従事。著書として、『コミュニティ・ビジネスの豊かな展開』(監修)、『NPOが北海道を変えた。』(分担執筆)、『ソーシャルキャピタルの醸成と地域力の向上』(共著)、『ドラマで学ぶ経営学入門』(単著)がある。

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「私を旅館に連れてって」第2話のあらすじと経営的視点

1 「っていうか大失敗」
 旅館の女将になることを決心した笹野倫子だが、従業員は篠田太一、園部初恵、千葉由幸、殿山元しかいない。そこへ黒沼の陰謀で使えなさそうな加賀屋学と、1泊5,000円で40名の団体まで押しつけられる。そして倫子の友人である衛藤なぎさが借金取りに追われて逃げてくる。
 花壱に宿泊している客、勅使河原史子はかつて外資系ホテルの副総支配人として活躍した人物と知り、倫子はどうしたら良いか、アドバイスを求める。勅使河原はこの旅館をあえて選ぶ理由が見つからない、と言われ、倫子は悩む。
 1泊5,000円ゆえに食事の原価を800円に抑えるよう、倫子は篠田に伝えるが、そんな料理を作るくらいなら、この旅館を辞めると言われる。40名の団体客がやってきて、従業員はその対応に追われる。義理の娘、志保に言われ、篠田が一流の懐石料理職人と知る。倫子は食事を花壱の目玉にしようと考え、篠田が満足できるよう1,500円の原価をかけて料理を作ってもらう。

 ところが、千葉がなぎさへセクハラをする客と喧嘩し、客は怒って翌日の宿泊をキャンセルしてしまう。客もせっかくの料理を残してしまう。お客が来れば来るほど、損してしまう状況に、従業員もあきれ顔だ。倫子は素直に謝るが、その時、団体客の一人から家族旅行での宿泊予約が入る。一筋の希望が見えた倫子へ勅使河原は「私もゲームに加わるは」と言う。
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「私を旅館に連れてって」第1話のあらすじと経営的視点

1 「天国から地獄へ」
 モデルをしていた笹野倫子はリゾートホテルを7つも経営している高邑隆一郎に見初められ、玉の輿に乗る。しかし、結婚してさほど経たない内に高邑が急逝する。しかも、300億円の負債を被っていたため、リゾートホテルは負債返済のために売却。彼女に遺産として残されたのは、修善寺の古びた旅館「花壱」と高邑の前妻との娘、志保だけだった。しかも花壱は借金と働かない従業員を抱えていた。
 倫子は田舎の寂れた旅館の経営には興味がなく、スパリゾート開発をしようとしている黒沼旅館へ売却しようとした。働くことが大嫌いで、もてなされるのが好きとい倫子だから、当然の決断だ。義理の娘の志保は怒るが、倫子は動じない。

 身辺整理をする倫子は、高邑と初めて出会ったテレビ番組のインタビューを見た。高邑にとって花壱は子供の頃の想い出が詰まった大切な場所で、その大切な場所に倫子が必要とされていることを知った。そして、高邑が生前に出した最後のメールを読み、高邑にとって自分がどういう存在であるか倫子は知った。
 高邑の花壱に対する想い、倫子と志保と桜の木の下で誕生日を祝いたい高邑の夢を知った倫子の心に何かが芽生えた。高邑の親が植えた大切な桜の木を切られようとしたその時、倫子は花壱に戻り、女将として旅館を経営することを宣言する。

2 経営的視点「素人娘に女将は可能か?」
 旅館の女将は旅館の経営とサービスに関する責任者です。はっきり言って、旅館やホテルでの経営やサービスの経験がなければ務まりません。楽天的で怖いもの知らずの倫子は、どうしたら、女将としての能力を身につけられるでしょうか。
 まず、倫子は顧客の視点でもてなしてもらうということを熟知しています。その顧客の視点でサービスを見直し、花壱でできることを考えてみてはどうでしょうか。それでも旅館の業務を熟知したサービスの指南役が必要です。
 経営に関しては資金の管理、営業、従業員に対するリーダーシップなどを学ばなくてはなりません。それを身につけるのは時間がかかります。そこで、誰か優秀な参謀が必要でしょう。
 そう、倫子には女将の片腕になってくれる人材が必要です。潰れかかっている花壱にそんな優秀な従業員もいないし、雇う余裕もない。でも、そこはドラマです。倫子に都合良く展開していきます。このドラマの舞台になった老舗旅館「落合楼」も経営破綻するほど、旅館経営は大変です。花壱はどうなっていくでしょうか?

3 「どんど晴れ」と「私を旅館に連れてって」の違い
 主人公は旅館の経験を持たず、女将に挑戦していく共通のストーリー展開があります。大きな違いは花壱は加賀美屋と異なり、潰れかかったひどい旅館です。それに対して、加賀美屋は経営的に厳しいもののまともな老舗旅館です。倫子は経営権を持っているのに対して、どんど晴れの浅倉夏美は一介の使用人です。したがってヒロインの置かれている立場が全く異なります。
 「私を旅館に連れてって」は最低のところから旅館を再建していくストーリー故に、話の辻褄が合わなくても、倫子の自己中心的なキャラクターも気にならないのかもしれません。また、主人公に頑張れと素直に応援できるのでしょう。

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「私を旅館に連れてって」第6話のあらすじと経営的視点

1 「料理が出せない」
 板長の篠田が原価の多少高い金目鯛を使いたいといい、女将の高邑倫子はそれを認めるがコスト削減を図らなくてはならず、クリーニング代や酒代を交渉して値引いてもらう。そんな花壱へ篠田の後輩の三浦が花壱を訪ねて来る。三浦はある経営者が乃木坂に出店する新しい料亭「奈可田」の花板として、篠田を迎えたいと伝える。渋る篠田を三浦は仮オープンの1週間だけでもいいから花板をやって欲しいといい、篠田も了承する。
 篠田は休暇ということで1週間の休みを取るが、スナックの絵美から篠田が引き抜かれることを倫子は聞いてしまう。そんな時に限って、食事を楽しみにする客が花壱へ来る。倫子も手伝い、板前見習いの里子も頑張るが、客の評判は悪い。倫子、勅使河原、なぎさは篠田の様子を見に、奈可田へ向かうが、そこで生き生きと働く篠田を目にして、3人は何も言えなかった。
 そんな時に限って女子大のグルメ同好会から10名の予約が入る。倫子は受けるが、自信のない里子はキャンセルして欲しいと言う。自信を喪失している里子へ、倫子は「自分が料理する」といい、倫子の勢いに押された里子は徹夜で料理の仕込みを行う。しかし、夕食の準備はうまくいかない。その状況で篠田が戻ってきて、美味しい料理を出すことに成功する。

2 経営的視点「理想の職場」
 旅館で働く従業員たちは、それぞれ花壱という職場に対する理想は違います。里子はこの花壱で修行し、立派な和食職人になりたいと考えていますから、自分が成長できる職場が理想でしょう。倫子はそれを知ってか知らずか、料理人として自立の道を歩み出せない里子へ、強制的にその機会を与えました。
 一方、篠田にとっては奈可田のように良い食材と立派な厨房がある高級料亭を理想としている訳ではないようです。彼の腕前を必要とするところが理想の職場と考え、花壱へ戻ってきました。
 従業員それぞれの理想の職場は違うので、理想の職場を作り、良い人材を確保しようとする経営者の女将は大変です。自分の持っている理想の仕事や職場をかなえる努力してくれる経営者や組織に対して、従業員は貢献意欲を持ちます。倫子の動機づけが結果として、篠田のような一流板前をも惹きつけたということです。

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「私を旅館に連れてって」第5話のあらすじと経営的視点

1 「もっとも恐ろしい客」
 客が増えない花壱は、お金をかけないで宣伝しようと従業員が知恵を出し、ちらしを作る。女将の高邑倫子は勅使河原史子から雑誌の記事として取り上げてもらう、パブリシティを聞く。
 倫子は雑誌「ボン・ボヤージュ」に取り上げてもらい、宣伝しようと考え、東京へ飛ぶ。たまたま、ボン・ボヤージュの編集長が修善寺の温泉旅館を取り上げる企画を持っていたので、取り上げてもらうことになった。ところが、この雑誌は覆面調査員がツアーや旅館を厳しくチェックし、雑誌での低評価が旅館の経営を左右する。

 そこで、調査員の不意の来訪に備えて準備し、従業員たちは最高のサービスを提供しようと考える。いつもは客の少ない旅館だが、その日は従業員が考えた広告が功をそうし、4組の客がやってきてしまった。そのため、誰がボンボヤージュの調査員か分からず、誰に最高のサービスをするかで従業員はそれぞれの思惑で行動し、旅館は混乱する。ボン・ボヤージュのノベルティを持っていたカメラを持った若い男性が、覆面調査員という事が判明する。
 加えて、断水になり混乱に拍車をかけるが、倫子は普通の宿泊客の老婦人から井戸の場所を教えてもらう。そして、従業員が一致団結で井戸水を汲み上げ何とか乗り切る。倫子は老夫婦が花壱を選んだ理由を聞き、その愛情の深さに打たれた倫子は老夫婦のために、野点をすることにした。
 野点の席の場で、若いカメラマンは無礼な態度で取材をしようとする。老夫婦の想い出のために、倫子も従業員もボン・ボヤージュの評価が悪くなることを覚悟して、カメラマンを追い出す。そして、老夫婦のために素敵な時間を演出する。

注 話はまだ続きますが、ネタバレになるので書きません。結末はどうなるか、是非、このドラマをごらんになってください。本当に良くできた脚本と演出です。

2 経営的視点「サービスの理念」
 従業員が良いサービスを顧客へ安定的に提供していくためには、旅館としてのサービスの理念が重要です。サービスの理念は花壱で確立されておらず、また確立されていないから従業員で共有され手いませんでした。女将の倫子のリーダーシップの弱く、従業員はサービスで顧客を満足させることすら考えていませんでした。
 ところが老夫婦の一件で「顧客を選んでサービスをしない」、「顧客に最良の時間を過ごしてもらう」という理念を確立しました。そして、「女将として立派だったわよ」と指南役の勅使河原が女将の倫子の取った行動、老夫婦の想い出のためにカメラマンを追い出したこと、を誉めた事で、倫子の女将としてのリーダーシップも確立しました。
 女将を始めとした旅館の全員が力を合わせて、最良のサービスを提供していきます。だからこそ、人間の行動基準になるサービスの理念や価値観が必要です。そして、理念を共有し、行動できるスキルが必要になります。顧客満足をもたらすサービスの理念を共有し、実直に実現していけば、それを評価する客が増え、花壱の再建につながっていきます。

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「私を旅館に連れてって」第4話のあらすじと経営的視点

1 あらすじ
 花壱の女将の高邑倫子は指南役の勅使河原史子から、旅館のビジョンを考えるようにと言われる。倫子は旅館組合の会合で知り合った春翠桜の女将小暮妙子から、春翠桜は1泊10万円という高級旅館なのに半年先まで予約がいっぱいという話を聞き、春翠桜のような旅館を目指そうと考えた。
 倫子は自分のビジョンを実現するために、従業員は洋服を、内装は洋風、料理は洋食へと、花壱を大改革し始めた。そんな時、青空観光の大久保が紹介してくれた客が花壱改め、清翠桜にやって来る。しかし、洋風化した清翠桜(花壱)に怒り、帰ってしまう。
 倫子はもう一度、死んだ夫である高邑と従業員の花壱に対する想いを思い返した。そして、倫子は一人で再び元の花壱へ戻そうと決意する。

2 経営的視点「資源ベースの経営戦略」
 憧れの人を真似ようとするのは人間誰しにもあります。企業も同じ業界や他業界の優良企業の経営を手本にするということも良くあります。それはそれとして、倫子はコンセプトからサービスまで春翠桜を真似しようとします。
 第一の問題点は、真似しても同じ旅館は創れないということ。その旅館が歩んできた歴史とそこから生じる伝統や雰囲気。経路依存という言い方をしますが、歴史が異なれば、同じ旅館にはなりません。また、春翠桜と花壱では所有している経営資源、人材、建物、温泉、資金量、ブランド力とイメージ、全く違いますから、同じ旅館にはなりません。それを無理して同じような旅館にしようとすれば、無理な経営を強いることになります。それは花壱のちょっぴり生まれてきた魅力を殺ぐことになります。
 第二の問題点は、表面的な事を真似ても、持続的競争優位を持ち得ないこと。なぜ春翠桜はあのような旅館になったのか、本質を考えなければ、花壱の競争力につながりません。
 第三の問題点は、戦略は基本的に差異化を図ることです。真似ても同じ旅館はできないし、うまくいっても所詮まがい物。本家に勝るためには、プラスアルファが必要です。
 そう考えると、花壱は花壱。春翠桜とは違った旅館で、夫高邑の理想としていた旅館を目指せば良いのです。春翠桜の女将の言葉、「あの娘はきっと立派な女将になる。それどころか強力なライバルになる。」は、春翠桜と違った旅館を目指すことが成功の道ということを示しています。

3 雑感
 昨日からフジテレビ721で「私は旅館に連れてって」を放送中。今日はライブで見ています。
 朝、見た「どんど晴れ」と同じ旅館を舞台にした物語ですが、こちらのドラマはコメディベースでなの辻褄が合わないところがあっても、突っ込む気にはなりません。また、主人公の倫子も愛すべきキャラなので、彼女の身勝手な行動も腹が立ちません。
 笑いながら、楽しめます。そして見終わった後に、何か心に残る何がある。全12話の全てが良い出来とは思いませんが、しかし、何度でも見たくなる良いドラマです。

なお、このドラマを経営的視点で学習する詳細なコンテンツを以下のオリジナルHPへアップしています。
最近、更新を怠っていますが。
http://www.kawanisi.jp

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